Meehania Britton (Lamiaceae)
いわゆる第三紀周北極植物の分布パターンをもつ分類群です。
東アジアに8種、北アメリカに1種がそれぞれ知られています。
日本では下記の2種が見られます。
M. montis-koyae Ohwi オチフジ
M. urticifolia (Miq.) Makino ラショウモンカズラ
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Meehania montis-koyae Ohwi オチフジ
2011年に中国の福建省と浙江省で同種と思われる植物がみつかったため、9年間だけ共通種として過ごしたのですが、Takano et al. (2020) によって中国のが M. zheminensis にわけられ、改めて固有種となりました。 結果的には兵庫県の狭い範囲にのみ知られているレア種です。
カメムシ臭と形容される独特の香りをもち、シカの採食から逃れることができているようです。 M. zheminensis もカメムシ臭がするらしいのですが、下唇弁に赤色の斑点があること、背がやや高くなることなどで、形態からも識別できるようです。
(5. 2019 兵庫県) |
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Meehania urticifolia (Miq.) Makino ラショウモンカズラ
みんな大好きラショウモンカズラです。 いかにもマルハナバチ媒花、といった見た目ですが、花が終わればランナーを出して栄養繁殖をする、という特殊能力も持っています。その頃には誰も目を向けなくなりますがね。
朝鮮半島、中国(朝鮮半島のつけ根あたり)、ロシアにも分布しているようです。
(↑6. 2017 長野県 上高地, ↓5.2019 大阪府) |
<Reference>
Takano et al. 2020 A Narrow Endemic or a Species Showing Disjunct Distribution? Studies on Meehania montis-koyae Ohwi (Lamiaceae). Plants 9(9):1159.