Trifolium L. 日本のシャジクソウ属

ブログを開設するにあたり、どんな記事にしようか・・・と迷いましたがひとまず属ごとにとり挙げてみることにしました。
さて、なにから始めようか・・・じゃあ、足元にいた
Tlifolium  から・・・(適当)

Trifolium L.  (Fabaceae) 
主に温帯~亜熱帯に約250種が知られている大所帯の属ですが・・・、日本の自生種はなんと1種のみなのでした!ほとんどいないと言っても過言ではないですね。ちなみに、オーストラリアと東南アジアには自生がまったくないそうです。
名前はそのまま、tri → 3つ folium → 葉っぱ

Y-listによると、我が国では自生の1種に加え、帰化が24種記録されているようです。が・・・ほとんどみたことないですね。

在来種___
T. lupinaster L.  シャジクソウ

帰化種___
T. angulatum Waldst. et Kit.  クシバツメクサ
T. angustifolium L.  トガリバツメクサ
T. arvense L.  シャグマハギ
T. aureum Pollich  テマリツメクサ
T. campestre Schreb.  クスダマツメクサ
T. carolinianum Michx.  チゴツメクサ
T. cernuum Brot.  ウナダレツメクサ
T. dubium Sibth.  コメツブツメクサ
T. fragiferum L.  ツメクサダマシ
T. fucatum Lindl.  ヤマブキツメクサ
T. glomeratum L.  ダンゴツメクサ
T. hirtum All.  ビロードアカツメクサ
T. hybridum L.  タチオランダゲンゲ
T. incarnatum L.  ベニバナツメクサ
T. medium L.  オオバノアカツメクサ
T. pratense L.  アカツメクサ(ムラサキツメクサ)
T. repens L.  シロツメクサ
T. resupinatum L.  ヒナツメクサ
T. setiferum Boiss.  オオトックリツメクサ
T. striatum L.  ハクモウアカツメクサ
T. subterraneum L.  ジモグリツメクサ
T. suffocatum L.  カタバミツメクサ
T. tomentosum L.  フウセンツメクサ
T. vesiculosum Savi  トックリツメクサ


  Trifolium lupinaster L. シャジクソウ
lupinaster → Lupinas に似た

北海道と本州内陸部に限って見られますが、ユーラシア大陸には広く分布しているようです。
(7. 2019 長野県)
 
              
Trifolium arvense L.  シャグマハギ
arvense → 原野、耕作地に生える

ヨーロッパ原産。
ふわふわな見た目の由来は、萼の開出毛。
花冠は小さく、自身の開出毛に埋もれてほとんど見えません。
葉や茎にもたくさん長毛があって、白っぽく(埃っぽく?)見えます。

(6. 2020 茨城県)
 
Trifolium campestre Schreb.  クスダマツメクサ
campestre → 原野に生える

ヨーロッパ原産。
花序あたりの花数が多いため、とにかく目立つ。河川敷とか、路傍とか、牧草地とか、わりとどこにでもいます。
花がらが花序に残り、下を向く。小葉柄は明瞭。
(6. 2013 東京都)
  Trifolium dubium Sibth.   コメツブツメクサ
dubium → 不確実の (何が?)

ヨーロッパ原産。
クスダマと同じような見た目の種で、花序あたりの花数が少なく、チマチマしています。
別属の くせにコメツブウマゴヤシとは瓜二つ。花の残り方と果実の形状で見分けましょう。
(5.  2012 群馬県)
 
Trifolium pratense  L.   アカツメクサ
pratense → 草原に生える

ヨーロッパ原産。
ふつうに生きていれば見るでしょう。
茎や葉には開出毛があり、花がなくとも区別は容易です。
花序の直下に葉があるところもポイント。
(5.  2012 群馬県)
Trifolium repens   L.   シロツメクサ
repens → 匍匐する

ヨーロッパ原産。
芝生や草地、路傍など、いたるところに生え、あまりいい仕事をしないことで有名。
でも花はかわいい。
(5.  2012 長野県)

<Reference>
Ellison et al. 2006 Molecular phylogenetics of the clover genus (Trifolium-Leguminosae). Molecular Phylogenetics and Evolution 39(3):688-705